秋の朝、ボクの遊びスイッチON！

涼しい朝はボクを活動的にさせるんだ。

空気がひんやりした秋の朝

朝ごはんは完食した。スープも全部しっかり飲んだ。おなかが満たされたら、ちょっと前ならヨギボーに直行して、ふわっと沈み込むのがボクの定番なんだけど――

最近はちょっと違うんだ。空気がピンとしてて、鼻の奥がくすぐったい。秋の空気の冷たさはボクを活動的にさせるんだ！

まずは、おうちの点検から。洗面所の前から歩いて、リビングを通り、寝室でくんくん、キッチンの角もチェック、これで1周して1セットなんだけど。それから、2周目、3周目と最低でも念には念を入れて3周はするんだ。

何度もママに会うから、そのたびに「点検してくれてるの、ありがとう」とか「お疲れさま」とか「がんばってるね」とか言われる。でもね、ボクは褒められるためにやっているんじゃない。この家を守りたいからなんだ。もちろん、感謝されるとうれしいけどね。

ぐるぐると警備を続けていくうちに…だんだん足が速くなる。ボクの中で、何かが目を覚ます。スイッチが入る瞬間だ！

「うるるっ」

喉の奥から、低くうなるような声が出た。それは、ボクの野生のスイッチが入った合図。次の瞬間、ボクは走り出してた。

リビングを駆け抜け、カーブでドリフトして、ママを何度も追い越すんだ。隠れていきなり飛び出しびっくりさせてあげたよ。「キャー」とか言ってた。でもね、まだ物足りないんだ。

だから、歩いているママのかかとに、パンチを一発。また、「キャー」だって。でも、脅かしてるのに少しうれしそうなのはなんでかな。

ボクはもう少し動きたくていると、パパがおもちゃ箱からボールを出した。やったー！ボクの目が、キラッと光る。そう来なくちゃね。

ボクの流儀は、ボールが投げだされたときにボールと同じ速度で走ること。ボールを捕まえたら、パパのとこへ持っていって、何度も挑戦する。

これで、秋の朝が完成するんだ。

それから、ボクは、ようやくヨギボーにふわっと沈み込んだ。つかれたー。

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